
一七四四年から福島八幡宮に続く灯籠の人形芝居。釘を使わぬ三層の屋台、大坂由来のからくり。国重要無形民俗文化財(一九七七年)。
毎年九月、秋分の日のころ。福岡・八女福島の福島八幡宮の境内に、高さ八メートル・幅十四メートルの木の屋台が組み上がる。二階建て三層。釘もカスガイも、一本も使われていない。灯がともると、中段の舞台で人形が舞いはじめる。上段では囃子が鳴り、下段では人が糸を操る。人形は舞台の橋を自分の足で渡っていく——このからくりを持つのは、全国でここだけだといわれる。
起こりは一七四四年(延享元)、八幡宮の放生会に人形燈籠を奉納したことにさかのぼる。転機は一七七一年。大坂・豊竹座で浄瑠璃の筆頭作者をしていた松延甚左衛門が郷里に帰り、大坂で会得したからくりの技を伝えた。山鹿から伝わっていた燈籠と、大坂のからくりが、この小さな町で出会ったのである。一九七七年、国の重要無形民俗文化財に指定。二百八十年、町の人の手で組まれ、灯され続けている。
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