
福岡・八女の盆提灯。継ぎ目のない一本の竹ひごを螺旋に巻き、光が透けるほど薄い和紙を貼り、花鳥風月を描く。2001年 伝統的工芸品指定、盆提灯の生産量は日本一。
八女提灯のはじまりは、二百年ほど前の江戸後期にさかのぼる。福島町——いまの八女市——の荒巻文右衛門(文左衛門とも)が、山茶花や牡丹を一色で描いた「場提灯」を作った。墓前に吊る、素朴な灯りである。
それを変えたのが、安政のころ(一八五四〜五九)の職人・吉永太平だった。彼は骨組みを「一条螺旋式」にした。竹の輪をいくつも並べるのではなく、一本に長く繋いだ竹ひごを、螺旋を描きながら巻き上げていく。継ぎ目のない骨。さらに火袋の紙を、八女の手漉き和紙の、ごく薄いものに替えた。光がよく透った。軒先や二階に吊るせば涼しげに見えるとして「涼み提灯」と呼ばれ、九州じゅうで人気になったという。
薄い紙の内側から灯りがにじみ、描かれた花鳥が浮かび上がる。二〇〇一年、経済産業大臣指定の伝統的工芸品。盆提灯の生産量は、いまも日本一である。
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