
久留米絣——福岡・筑後平野の手括り木綿絣。阿波藍で染め、投杼で織る。重要無形文化財、日本三大絣のひとつ。
久留米絣は、福岡・筑後平野で二百年織り継がれてきた木綿の絣(かすり)。始まりは一八〇〇年ごろ、久留米の少女・井上伝(一七八八〜一八六九)だった。色褪せた古着にちらつく白い斑点を不思議に思った伝は、布を解いて仕組みを探り、「糸を先に括ってから藍で染めれば、括ったところだけ白く残る」ことを見つける。その糸を織ると、白い模様が布いっぱいに霜のように散った——これが絣の誕生である。手で糸を括り、阿波藍で染め、投杼(なげひ)で織る。この手仕事は一九五七年に国の重要無形文化財に指定され、伊予絣・備後絣と並ぶ日本三大絣のひとつに数えられる。輪郭のわずかな「ずれ」が生むにじみこそ、久留米絣の素朴な味わいだ。
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